概要
リモートビューイングは、遠く離れた場所や未知の場所を見ることができる超能力とされる。科学的な証拠は限られているものの、実際に多くのエピソードが報告され、冷戦時代にはアメリカとソ連が軍事利用を試みたと言われている。この記事では、リモートビューイングの歴史、具体的な事例、目撃談を探り、その真相に迫る。果たして人間は遠隔透視を可能とするのか、その謎を解き明かそう。
遭遇エピソード
エピソード1：超能力研究のパイオニアとリモートビューイングの実験
1970年代、スタンフォード研究所でリモートビューイングの実験が行われた。当時、リモートビューイングのパイオニアとされたイング・スワンとパット・プライスが、スタンフォード研究所の科学者ラッセル・ターグやハロルド・パトフと共に実験に参加した。
実験の一例として、研究所外にいる他のスタッフがランダムに選んだ場所を、スワンとプライスが透視する形でリモートビューイングを試みた。彼らはその場所の特徴や建造物の形、自然環境などを詳細に描写し、驚くべき精度で的中させたと報告されている。これにより、アメリカ政府はスワンやプライスを含むリモートビューアーのグループを編成し、軍事的なスパイ活動に活用するプロジェクト「スターゲイト計画」を立ち上げた。
スターゲイト計画では、彼らリモートビューアーがソ連や中東などの敵対勢力の軍事施設、潜水艦の位置などを透視し、情報収集を行ったという。冷戦時代の緊張感を背景にしたリモートビューイングは、アメリカ政府が正式に超能力に興味を示し、研究と実用を進めた貴重な例である。
エピソード2：日本でのリモートビューイング体験
日本でもリモートビューイングに興味を持つ者は多く、一般人の中にも体験談を語る人がいる。
1990年代、ある女性が友人に誘われてリモートビューイングのワークショップに参加した。ワークショップでは、まず瞑想によってリラックスした状態を作り出し、特定の場所を思い浮かべるよう指導された。彼女はアフリカのサバンナを思い浮かべ、見えた景色を紙に描いた。そこには砂漠のような広がりと、象の群れが描かれていた。
後日、講師が実際のリモートビューイング対象地の写真を見せると、それはアフリカのサバンナで、彼女が描いたものと非常によく似た象の群れの写真が含まれていた。彼女は驚きと共に、「リモートビューイングは本当に可能なのかもしれない」と感じたという。
また、別の参加者はアメリカの有名な観光地を思い浮かべ、そこにある特徴的な建造物を詳細に描写することができた。リモートビューイングのワークショップでは、必ずしも全ての参加者が成功するわけではないが、一定の精度で的中する者がいるため、ますますその謎が深まる。
具体的な目撃例
- カリフォルニア州メンローパーク：1970年代にスタンフォード研究所で行われたリモートビューイング実験。イング・スワンとパット・プライスが見た場所は、彼らが実際に訪れることなく詳細に描写され、正確な結果を残した。
- ニューヨーク州ニューヨーク市：1980年代、ニューヨーク市で行われたリモートビューイング実験において、参加者があるビルの内部構造を透視し、その後の現地調査で確認された。
- 東京都新宿区：1990年代、リモートビューイングのワークショップが新宿区で開催され、多くの一般人がリモートビューイングを体験。サバンナやアメリカの観光地の景色が実際と一致する描写を見せた。
- モスクワ州モスクワ市：ソ連でも1980年代にリモートビューイングの研究が行われた。米国との超能力開発競争の一環で、軍事施設や軍隊の動きを透視する試みが続けられた。
リモートビューイング実在の可能性
1. リモートビューイングが実在する可能性
冷戦時代のプロジェクト「スターゲイト計画」におけるリモートビューイングの成功事例や、1970年代にスタンフォード研究所で行われたリモートビューイング実験の結果から、リモートビューイングが実在する可能性は完全に否定できない。
- スターゲイト計画での成功事例
イング・スワンやパット・プライスは、スターゲイト計画で数多くのリモートビューイングを成功させたとされている。例えば、プライスが透視したソ連の軍事施設の配置や内部構造は、実際の調査と一致した。 - スタンフォード研究所でのリモートビューイング実験
イング・スワンとパット・プライスがスタンフォード研究所で行った実験において、ランダムに選ばれた場所の描写が正確に的中した事例が多く報告されている。
2. リモートビューイングが実在しない可能性
一方で、リモートビューイングが実在しないという論拠も多く存在する。特に以下のような理由から、リモートビューイングは他の現象やマジック・トリックで説明可能であるという主張がある。
① 勘違い
人間の記憶や認知は曖昧であり、過去に見た情報が無意識に反映されることで、実際のリモートビューイングの結果と偶然一致することがある。さらに、リモートビューイングの実験やワークショップでは、リラックスした状態や瞑想を行うため、被験者が思い浮かべる景色や建物にバイアスがかかりやすい。
- 事例
新宿区のワークショップで、アフリカのサバンナを描写した女性も、過去に何らかのメディアでサバンナの象の群れを見たことがあり、それが無意識に反映された可能性がある。
② マジック・トリック
リモートビューイングがマジシャンによって巧妙に行われるマジック・トリックである可能性もある。
- 事例
マジシャンのユリ・ゲラーは、1970年代にリモートビューイングの実験で成功を収めたとされるが、後にその手法がマジック・トリックであると指摘された。ユリ・ゲラーの手法は、観察やカンニングを利用したものであると言われている。
総括
リモートビューイングの実在性については未だに議論が続いている。歴史的な事例や実験結果からその存在を信じる者もいるが、勘違いや他の現象、マジック・トリックで説明できる可能性も否定できない。リモートビューイングが真実であるかどうかは、今後の研究によって明らかにされるかもしれないが、現時点では謎に包まれている。
